
「見る」から「体験する」へ――衛星ハッキングを体験型コンテンツに。「DEF CON 34」Aerospace Village出展レポート
米ラスベガスで毎年8月に開催される、世界最高峰のセキュリティカンファレンス「DEF CON」。GMOサイバーセキュリティ byイエラエは、2025年にアジア企業として初めて宇宙サイバーセキュリティ専門エリア「Aerospace Village」にブースを出展して以来、今年で2年連続の出展となりました。
2025年11月開催「DEF CON Bahrain」、2026年4月開催「 DEF CON Singapore 」も合わせると通算4回目の出展です。
本記事では、ブースで来場者と交わした会話や反応、そして昨年からの変化を振り返りながら、宇宙セキュリティの最前線で感じたことをレポートします。
「見る」デモから「体験する」ハンズオンへ

これまでのブースでは、研究内容やデモ動画をベースに、説明を加えながら来場者からの質問に答えるという、「見せる」形式が中心でした。今年はこの形式から大きく進化し、共同研究先である韓国・Kyung Hee UniversityのJang教授率いる研究チームと共同で、実際の衛星システムを模した環境でサイバー攻撃を疑似体験できるハンズオンコンテンツを開発しました。
「自分で衛星ハッキングを体験できる」と分かった瞬間、席に吸い寄せられるように操作を始める方が多く、体験中の集中度やその後の質問の深さも一段と増しました。
来場者には、実機のミニ衛星・ミニアンテナとシミュレーターを組み合わせたシステムで、衛星通信の傍受や偽コマンドの送信など、複数の攻撃シナリオを体験いただきました。
攻撃シナリオは、学生からセキュリティ専門家まで、それぞれの知識や関心に応じて体験できる展示を目指して、初めて衛星セキュリティに触れる方でも手順に沿って進められる入門的なものから、知識のあるハッカーがより深く掘り下げて取り組めるものまで、複数用意しました。
来場者自身が攻撃シナリオに沿ってコマンドを組み立て、操作した結果がリアルタイムに反映されることで、サイバー攻撃が衛星システムに与える影響を目の前で確認でき、思わず前のめりで取り組む姿が多く見られました。
Aerospace Village運営関係者からも、インタラクティブ性が高く、宇宙セキュリティの教育や意識向上につながるコンテンツとして非常に好意的なコメントをいただきました。
ブース来場者の反応

体験型コンテンツを置くことで、来場者の反応は昨年から大きく変わりました。
「実際の衛星は本当にハッキングできるのか」
「こうしたサイバー攻撃は現実にも起きているのか」
「宇宙セキュリティを勉強したい場合、何から始めればよいのか」
「衛星・宇宙システムを開発する際、どのようなセキュリティ対策を考えればよいのか」
展示をきっかけに、話題はデモの内容だけでなく、実際の衛星システムにおけるセキュリティ課題や、宇宙セキュリティの学び方にまで広がりました。
研究成果を一方的に紹介するよりも、実際に触ってもらうことで「衛星へのサイバー攻撃とはどういうものなのか」「なぜ防御が必要なのか」を直感的に理解してもらえるので、宇宙セキュリティへの理解や意識向上に、よりつながる展示になったと実感しました。

Aerospace Villageについて
Aerospace Villageは年々エリアが拡大しており、DEF CONの中でも存在感を増していることを改めて感じました。今回、会場に掲出されたAerospace Villageのパートナー一覧では、BoeingやLockheed Martinなど世界の航空・宇宙関連企業・組織と並び、当社がアジア企業として唯一のパートナーとして掲載されました。
また、日本の製造業・航空宇宙関係者や海外の宇宙関連企業とも情報交換する機会があり、宇宙・衛星側の担当者から「詳しく話を聞きたい」と声をかけていただく場面も複数ありました。宇宙業界におけるセキュリティへの関心が着実に高まっていることを実感する機会となりました。
今回得られた手応えをもとに、本コンテンツを宇宙セキュリティの教育・トレーニングとしてさらに発展させ、国内外のイベントや宇宙業界との連携につなげていきます。
