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当社のエンジニアが共著した論文が電気学会論文誌に掲載されました
電気学会論文誌C 2023年8月号「Smart Cityを支える高度な情報通信,センシング及び医療技術」に京都産業大学 井上博之教授および広島市立大学 稲村勝樹准教授との共同研究論文「鍵管理を考慮した相互認証方式を用いた車載LANデータ活用システム」が掲載されました。
本論文には、当社システム開発部/GMOインターネットグループ デベロッパーエキスパートの酒見 由美、取締役CTO of Development 菅野 哲も共著者として掲載されています。今後も産学連携の取り組みによる最先端技術研究を通じて、社会課題の解決に貢献してまいります。
なお、この研究論文のコア技術であるIDベース暗号(*1)は、当該論文で取り扱っている車載LANに加え、アグリテック(AgriTech)に代表されるIoT機器やドローン、ビッグデータを用いるICT技術に関するサービスへの活用が期待されます。また、IDベース暗号で利用されるペアリングパラメータについては、当社が中心となってインターネット標準化団体であるIETFにおいて標準化活動(*2)を推進し、安心・安全なインターネットの実現に貢献しています。
当社では、先端技術を用いたコア実装、調査研究、実証実験などの研究支援から、標準化支援、エンタープライズ向けサービス開発まで積極的に実施しておりますので、お気軽にお声がけください。
*1 IDベース暗号とは
IDベース暗号は、機器IDなどの任意の値を公開鍵として利用可能な公開鍵暗号です。従来の公開鍵暗号では、公開鍵の正しさを示すために証明書が必要となりますが、IDベース暗号では不要となる点が特徴となります。
*2 Pairing-Friendly Curves
https://datatracker.ietf.org/doc/draft-irtf-cfrg-pairing-friendly-curves/
■論文の概要
コネクティッドカーや自動運転機能の普及に伴う自動車のIoT化に伴い、車載LANと外部ネットワークの通信における安全性が課題となっており、低コストかつスケーラビリティのある認証・暗号化の仕組みづくりが求められています。本論文ではIDベース認証付き鍵交換による相互認証と鍵交換を同時に行う方式を用いることで、証明書の作成・管理を必要とせず鍵管理を容易にした車載LANデータ活用システムを提案しています。
詳細はこちら
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejeiss/143/8/143_743/_article/-char/ja